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自分を「ごきげん」にする方法

より良く生きるスキルを学ぶ

心が元気で健康なとき、体ももよく動いたとか、正しい判断ができたとか、その感覚を意識して効果的に使う方法を学べる本です。ほんと良書です。「昨日、あの人が私にこんなことを言った。ほんと不愉快、ムカついた。」こんな経験は誰でもある。けど、きげんが悪くなって、損をしているのは世界中でただひとり、きげんが悪くなった自分だけなのですよね。あなたを不愉快にした人はなんにも思ってなくて、自分のきげんが悪くなり、体調も悪くなり、結果が出せなくなって、幸せじゃなくなり、結局、損をするのは世界中でただひとり、自分だけ。まずはそれに気づくことがとても大切なんだと学びました。この気づきを意識するのとしないのでは、生き方に大きな違いがでてくると強く感じた。

うれしいこと、大変なこと、楽しいこと、苦しいこと・・・・私たちの人生にはさまざまな出来事がやってきますが、それは私たちの脳が外側の出来事をいつも「認知」しているからです。この認知のの脳が暴走して、今、私たちの心はゆらぎ、とらわれ、不きげんになっています。ところが生きている以上、私たちがこの脳の働きから逃れることはできません。だからこそ、認知の脳の機能とは別に、自分で自分のごきげんをつくるライフスキルが必要なのです。

自分を「ごきげん」にする方法 著者:辻秀一

人間は不機嫌になる生き物だと知る

そもそも人間は不機嫌になる傾向のほうが強いんだと知ることが大事なんですね。人間は脳の認知の働きによるもので、生き延びるためには必要不可欠な働きなのだ。宿命まずはその大前提を意識すること。そして自分がいまどんな心の状態なのかを俯瞰していけると、ゆらがず、とらわれずの心の状態へ近づけるんですね。そこはとても学びになった。

脳の働きのひとつに「認知」というものがあります。自分の周囲の出来事に意味づけし、判断して行動の内容を決定し、行動をうながしていく働きです。たとえばヒツジがオオカミのしっぽを見つけたら、「危ない」と判断して、一目散に逃げ出します。それが認知する脳の働きです。「危ない!」と認知しないで、のんびり草を食べていたら、食べられてしまいますから。認知の機能を発達させればさせるほど、生き延びられるというわけです。生物の中で最も生き延び繁栄しているのは人間です。つまり人間は認知の脳がおそろしく発達しています。いつも自分の外側で起こる状況をことこまかに判断して、反応して、行動しています。認知の働きは人間が生き延びるために必要不可欠な脳の機能だったのです。そして、生き延びるためには、楽しいことより危ないことにより敏感に反応しなければなりません。だから人間の認知は、物事をよりネガティブだったり、悲観的にとらえがちになるのです。

自分を「ごきげん」にする方法 著者:辻秀一

言葉・表情・態度を選ぶ

多くのトップアスリートは、よい表情や態度や言葉を使って、心の安定を維持している。たとえばイチローは、マスコミに嫌な気持ちにもっていかれそうになっても、ゆっくり言葉を選び使っているそうです。自分の心をいい状態に保つために言葉を選んでいるそうだ。たしかにインタビューをみるとそれは納得だ。プラスの言葉を意識的に選び使うようにすることがごきげんでいれる秘訣だ。

朝から雨が降っていて憂鬱なとき、表情は暗くて、態度も投げやり、気がつけばため息もついている。こんなときは、電車の中で目の前のお年寄りが立っていても席をゆずってあげる気になれない。一方、同じように雨がふっていても、表情は明るく、前向きな言葉を使うと目的地に向かう足取りも軽快になるはずです。こんなときはきっと、電車でおじいさんが前に立つと、「どうぞ」とやさしい言葉をかけて、席をゆずったりするんじゃないでしょうか?私たちの表情や態度や言葉には、行動の質を高める力があるのです。

自分を「ごきげん」にする方法 著者:辻秀一

一生懸命を楽しむ

一生懸命やることをただ楽しむ。そこに理屈や理由は必要ない。一生懸命をただ楽しむことは、ごきげんのほうに心の針が傾く大きな要素。仕事も運動も一生懸命に取り組み、一生懸命を楽しむことができれば、ごきげんでいられる。子どものころは、野球をただ一生懸命だった。それが楽しかった。その感覚を思い出していくの良さそう。

アメリカの野球では、子どもたにち「とにかく精いっぱい投げて、一生懸命打って、全力で走れ!」と教えているそうです。そうやって、力いっぱい、思いっきりやることの楽しさを子どもたちに体感させるのです。一方、日本の少年野球は、「勝つこと」の楽しさを教えています。送りバント、犠牲フライ、敬遠・・・。大人顔まけにこんな組織野球をする少年たちを見て、「彼らは野球が楽しいのだろうか」と、この研究者は不思議に思ったそうです。「勝つことが楽しい」と教えているから、勝つために練習する。まさに「結果エントリー」な指導です。こんな野球に「楽しさ」というものは存在していないのかもしれません。

自分を「ごきげん」にする方法 著者:辻秀一

人生の目的は愛し、進化すること

日々起きる出来事に、苦しんだり、落ち込んだりすることもあるかもしれない。そんな時に自分の心の針が、ごきげんと不機嫌のどちらに傾いているかをふと意識できるようにしていけたら良い。それができれば、人生の目的につながっていくので。人生の目的は「愛」と「進化」。シンプルなことであり、納得させられた。この本テーマである「ごきげん道」はこれからも強く意識していきたい。

人間のすばらしさは、次のものを生み出したことだと私は思っています。「仕事」「文学」「芸術」、そして「スポーツ」。たとえば、人は誰かのために働くことができます。そして、仕事を通じて自分を成長させることができる。また、試合をすれば、負けることがあるとわかっていても、世界中でスポーツが行われいる。さらにどんな国にも言葉があり、文字があり、書物があり、人は何かを伝えようとする。世界中に音楽や絵画、ファッション、グルメなど、たくさんの芸術がある・・・。これら私たち人間が生み出したものは、本来は心をごけげんにするためにあるのです。ごきげんで生きる人こそが「愛」と「進化」のスキルを発揮できるのです。愛と進化のスキルを磨くことで、人としても豊かになっていけるのです。

自分を「ごきげん」にする方法 著者:辻秀一

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